金沢大学大学院医学系研究科 生体防御応答学分野

Laboratory of Molecular and Cellular Biochemistry,

Grad. Sch. Med. Sci., Kanazawa University

English version is here.

2010年1月現在


主な発表論文  年別発表論文  共同研究  国際学会と活動 学術集会発表:2009年度 2008年度 2007年度 2006年度 2005年度 2004年度

教育活動  卒業修了生の進路  学位論文及び大学院生の活動


研究室沿 

私たちの研究室は金沢大学角間キャンパスの自然科学1号館にあり,

学部は医薬保健学域・薬学系・薬学類,博士前期課程は自然科学研究科 生命薬学専攻・医療薬学専攻,

そして博士後期課程は医学系研究科循環医科学専攻にそれぞれ所属しています。

職員構成は,教授(中西義信 Yoshinobu Nakanishi, Ph.D.,医学系研究科所属,薬学系及び自然科学研究科を兼担),

准教授(平山(白土)明子 Akiko Shiratsuchi-Hirayama,Ph.D.,医学系研究科所属,薬学系及び自然科学研究科を兼担), 

助教(永長一茂 Kazushige Nagaosa,Ph.D.,自然科学研究科所属,薬学系を兼担)であり,

学生は薬学部卒業研究生,博士前期課程及び後期課程大学院生がそれぞれ数名在籍しています。また,金沢大学のアジア人材育成プログラム等による留学生や,大学間協定校の教員も研究室に参加しています。


研究内容:生体恒常性維持機構としての細胞貪食反応の研究


<背景>

 私たちの体内では,役割を終えた細胞,機能を失った細胞,あるいは有害な細胞など,生理的状態からはずれた「変性した自己細胞」が頻繁に出現します。また、皮膚や上皮のバリアを超えて侵入した微生物も存在します。生体恒常性が維持されるためには,これらの細胞が速やかにかつ選択的に除去される必要があります。実は,これらの細胞は周囲にやってきた別の細胞に丸ごと食べられて排除されています。ある種の細胞が別の細胞を取り込む反応は,貪食(どんしょく; phagocytosis)と呼ばれ,多くの場合は取り込まれた細胞は消化されてしまいます。貪食反応の標的は,上述するように変性自己細胞と侵入した微生物の二種類に大別され,前者には,形作りのために取り除かれる細胞,老化した細胞,役割を終えた細胞,及び病変した細胞が含まれます。後者には,細菌,真菌,原虫,及びウイルスが知られています。一方,貪食を行う細胞は食細胞 (phagocytes) と呼ばれ,血液中を移動して全身に存在するものと特定の組織や臓器に限定して存在するものの二種類があります。前者の代表がマクロファージや顆粒球(好中球; neutrophils)で,後者には脳のミクログリア,肝臓のクッパー細胞,そして精巣のセルトリ細胞などが含まれます。

 食細胞はどのようにして除去すべき細胞を貪食しているのでしょうか。微生物は私たちの細胞には存在しない分子構造を持つためこれらが目印となりますが,自己細胞の貪食反応では正常な細胞が食細胞の標的とならないことが重要であり,そのために食細胞は除去すべき細胞表層の特異構造を認識して選択的に貪食します。そのような貪食目印は,変性時に新たに作られるのではなく,細胞が持っている物質が局在や構造の一部を変化させたものであることがほとんどです。変性自己細胞と侵入微生物を含めた“要除去細胞”は,私たちの一生を通じて頻繁に体内に出現するため,それらを選択的かつ速やかに取り除くことは,私たちが健康に生きてゆくために不可欠です。私たちの研究室では,貪食を「生体恒常性を維持するための生命現象」と位置づけ,貪食反応の仕組みと意義の解明に取り組んでいます。

20096月に、この研究領域に関するゴードン会議が開催されました。詳細はこちらです。
2009 Gordon Research Conferences on Apoptotic Cell Recognition & Clearance: Worm-Fly-Vertebrate-Human Clearance And Failure
Chairs: Martin Herrmann & Yoshinobu Nakanishi

http://www.grc.org/programs.aspx?year=2009&program=apoptotic

<内容の紹介>

1)微生物及び微生物感染細胞の貪食による感染症防御の仕組み  研究内容と成果を表す図

 哺乳類とショウジョウバエを用いた実験により,体内に侵入した病原性微生物が単独でまたは感染宿主細胞とともに貪食除去される反応について,その仕組みと感染症防御における役割を明らかにします。

 哺乳類の免疫応答には自然免疫と獲得免疫とがあり,それぞれに液性反応と細胞性反応が含まれます。微生物の抗原を認識する抗体やリンパ球が働く獲得免疫については,その機構がよく解析されてきましたが,自然免疫の理解は遅れています。自然免疫での微生物認識では,個々の微生物固有の物質ではなく,菌の構造や増殖様式などに基づく分類ごとに共通する「分子パターン」が免疫細胞の「パターン認識受容体」に感知されると考えられます。しかし,これまでの報告の多くは,抗微生物性物質の産生を中心とした液性反応を扱っており,貪食を中心とする細胞性反応の仕組みはまだよくわかっていません。私たちは,哺乳類とショウジョウバエとを併用して細菌貪食の仕組みを調べています。ショウジョウバエは自然免疫しか持たず,加えて遺伝学が適用できる利点があります。また,液性反応では哺乳類とショウジョウバエでその基本的仕組みは共通であることから,細胞性反応でも両者の利点をいかした解析ができることが期待されます。

 哺乳類細胞のToll様受容体ファミリーは,微生物の分子パターンを感知して転写依存に抗微生物性物質の産生を主とする液性自然免疫を誘導しますが,貪食を初めとする細胞性自然免疫応答への働きはまだよくわかっていません。マクロファージのTLR4は,微生物やアポトーシス細胞の取り込みには関係なく,しかし,食細胞内に取り込まれた標的のリソソームへの輸送や分解を調節する働きも持つことがわかりました。同様に,グラム陽性菌のマクロファージによる貪食と殺菌へのTLR2の役割を調べると,黄色ブドウ球菌がTLR2経路を利用してマクロファージの活性酸素産生を抑制し,殺菌を回避していることがわかりました。これは,宿主の免疫経路を乗っ取ることによる微生物の生き残り戦略とも考えられます。そして,TLR2を介するマクロファージの活性酸素産生を調節する,黄色ブドウ球菌表層の因子として,Dアラニン化タイコ酸が同定されました。

 ショウジョウバエへの黄色ブドウ球菌や大腸菌の感染系は,微生物と宿主の両方に遺伝学の利用できる感染モデルとして有用です。ショウジョウバエ体腔に細菌を注入すると,ハエ体内では液性反応である抗菌ペプチドの産生が導かれると同時に,ヘモサイト(血球細胞に相当)による微生物の貪食が起きます。私たちは,細菌感染における貪食反応の寄与程度を調べるとともに,ショウジョウバエから取り出した食細胞によるin vitro貪食アッセイ及びハエ個体で貪食を検出するin vivoアッセイ系を構築して,細菌の持つ貪食誘導性リガンド(分子パターン)と食細胞の貪食誘導性受容体の同定を目指しています。これまでに,複数の貪食誘導性リガンド候補とこれらを認識するヘモサイト受容体候補とを得ており,最近,線虫貪食受容体CED-1のホモログであるDraperが黄色ブドウ球菌表面のリポタイコ酸をリガンドとして認識し,ヘモサイトによる細菌貪食排除を導くことを見出しています。一方,このような感染モデルを利用して,ハエの液性応答を抑制する細菌側因子の存在もわかってきました。ショウジョウバエ免疫関連分子の多くは哺乳類にカウンターパートが存在することから,得られた結果はヒトの自然免疫応答の理解にもつながると期待できます。


 インフルエンザウイルスの感染により細胞形態が大きく変化することが知られていましたが,共同研究者のTakizawa博士と私たちはこの現象がアポトーシスであることを見いだし,これは,ウイルス感染細胞がアポトーシスを起こすことの初めての報告となりました。当初は,この死は感染細胞が自ら死んで感染拡大を防ぐ機構と予想しましたが,実際には宿主細胞のアポトーシスより先にウイルスが増殖してしまい,また,アポトーシス抑制はウイルス増殖に影響がなかったことから,この可能性は否定されました。私たちは,感染細胞の死の意味は別にあると予想して実験を行い,インフルエンザウイルス感染細胞がマクロファージによって貪食されるとウイルス増殖が停止することを見いだしました。実際に,インフルエンザウイルスを感染させたマウス肺組織ではウイルス感染アポトーシス細胞が出現し,これらが好中球とマクロファージに貪食されることがわかりました。ウイルス感染細胞の貪食は,アポトーシス依存に細胞表層に出現する膜リン脂質ホスファチジルセリンを介して起こり,また,ウイルスコートタンパク質ノイラミニターゼ(インフルエンザ治療薬ザナミビルやタミフルの標的酵素)活性により促進されます。そこで,ウイルスを感染させたマウスで貪食を阻害すると,マウスの生存期間が短くなることがわかりました。これは,アポトーシス依存的な貪食反応により病原微生物が直接的に除去されることを示した初めての例です。また,マウスを用いた実験により,インフルエンザウイルスに対する防御にToll様受容体が関わることを報告しています。

2)要除去細胞貪食による形態形成及び組織機能構築の仕組み   研究内容と成果を表す図

 ショウジョウバエを用いた実験により,発生過程で起こるアポトーシス依存的な細胞貪食反応について,その仕組みと形態形成における役割を明らかにします。

 ショウジョウバエの発生過程では,形態形成に伴って多くの細胞がアポトーシスで死に,ヘモサイトやその他の食細胞により除去されています。特に,変態過程では,幼虫組織の崩壊と細胞貪食やオートファジー経路を介する分解,そして成虫組織の再構築が起きています。また,変態時の神経細胞では,幼虫型神経軸索が部分的に刈り取られ(axon pruning) ,そこから成虫型の軸索が再構築されて機能を獲得します。これらの複雑な現象はすべて,たった二種類のホルモンにより調節されていることが知られていますが,組織細胞の死と貪食による排除のしくみは未だよくわかっていません。

 ショウジョウバエ胚のあるステージでは,多くのアポトーシス細胞が出現します。私たちは,胚で起こる細胞貪食のin vivoアッセイ系を構築して,アポトーシス細胞の貪食受容体としてDraperを報告しました。Draperは線虫の貪食受容体CED-1のショウジョウバエホモログであり,幼虫型神経軸索刈り取りにも必要であることが他研究グループから報告されています。哺乳類細胞にもCED-1/Draperのカウンターパートが存在することから,Draperを介する細胞貪食の分子機構を明らかにすることは,ハエや線虫のモデル研究にとどまらず,ヒトの体で起こる細胞貪食のしくみを理解するためにも大切です。最近,私たちは,Draperのリガンド分子を同定し,アポトーシス細胞取り込み反応と軸索刈り取り反応とを比較しながら貪食機構の解析を進めています。 一方で,ショウジョウバエのアポトーシス細胞貪食では,Draperを介する認識とは別の認識機構が存在することがわかってきました。私たちは,第二の認識機構を構成する受容体とそのリガンドについても,それぞれの候補分子の解析を進めています。


3)要除去細胞貪食による配偶子形成調節の仕組み   研究内容と成果を表す図

 哺乳類を用いた実験により,精子形成過程での精子形成細胞及び黄体退行過程での黄体細胞がアポトーシス依存的に貪食除去される反応について,その仕組みと配偶子生産における役割を明らかにします。

 哺乳類の精子形成過程では,精子へ分化中の精子形成細胞の大部分がアポトーシスで死んでしまうことが知られていましたが,その死の機構や生理学的意義は不明でした。私たちは,ラットやマウスの精巣初代培養細胞系を利用して,アポトーシス精子形成細胞が精巣内体細胞セルトリ細胞によって貪食されることを報告しました。この反応はアポトーシスに伴って細胞表面に出現する膜リン脂質ホスファチジルセリンと,セルトリ細胞の持つスカベンジャー受容体のひとつのSR-BI (class B scavenger receptor type I)により規定されます。SR-BIはその細胞外領域でホスファチジルセリンと直接結合して貪食を導きます。この時,SR-BIは細胞内領域でアダプターのGULP(線虫の貪食関連分子CED-6のホモログ)と結合して,セルトリ細胞のMAPキナーゼ経路を活性化し,これらが低分子量Gタンパク質経路のRac1活性化を導き,細胞骨格再編成を介して標的の貪食を誘導することが判明しました。一方,生きたマウスの精細管に貪食阻害剤を注入する実験により,動物体内でホスファチジルセリンとSR-BIとを介したアポトーシス細胞の貪食が行われること,さらに,貪食抑制により精子形成の進行が遅れて精子数が顕著に減少することがわかりました。これより,アポトーシス精子形成細胞の貪食除去は精子生産に必要であることが明らかになり,これは生理的状態で起きているアポトーシス依存的貪食反応の重要性を示した初めての例です。近年は,精子形成への役割を個体レベルで解析することを目指し,アポトーシス精子形成細胞を貪食したセルトリ細胞のプロテオーム解析を行ない,セルトリ細胞が産生する精子形成支持因子の候補を得ています。現在,候補分子の遺伝子改変動物を作製して,精子形成への寄与を調べています。

 排卵後の卵胞は黄体となってホルモン分泌を始めますが,妊娠が成立しない場合はやがて組織が崩壊してしまいます。私たちは,この黄体退行と呼ばれる現象はアポトーシス誘導された黄体細胞がマクロファージに貪食されるために起こると仮定しました。この仮説を検証するために,まず退行すべき黄体へマクロファージが遊走する機構を明らかにしようとしています。これまでに,性周期過程の中で黄体細胞にアポトーシスが誘導される時期に,黄体細胞で単球/マクロファージ遊走因子MCP-1の生産量が転写レベルで増加すること,そして,アポトーシス黄体細胞は遊走してきたマクロファージに貪食されることがわかりました。ラット黄体の初代培養系を構築して貪食機構を調べると,アポトーシス黄体細胞の黄体マクロファージによる貪食は,ホスファチジルセリンの認識とインテグリンを介する認識との両者で起こるとわかりました。これらの結果を受け,私たちは,アポトーシスに伴うMCP-1発現促進機構を解析しました。

<細胞貪食に関する基礎事項>

[貪食と食細胞]

 貪食(どんしょく; phagocytosis)とは,ある種の細胞が別の細胞を取り込む反応を意味し,多くの場合は取り込まれた細胞は消化されてしまいます。貪食反応の標的は,変性自己細胞と侵入した微生物の二種類に大別され,前者には,形作りのために取り除かれる細胞,老化した細胞,役割を終えた細胞,及び病変した細胞が含まれます。後者には,細菌,真菌,原虫,及びウイルスが知られています。貪食を行う細胞は食細胞 (phagocytes) と呼ばれ,血液中を移動して全身に存在するものと特定の組織や臓器に限定して存在するものの二種類があります。前者の代表がマクロファージや好中球(neutrophils)で,後者には脳のミクログリア,肝臓のクッパー細胞,そして精巣のセルトリ細胞が含まれます。また,マクロファージ,好中球,クッパー細胞など食細胞の多くは血球系から分化しますが,セルトリ細胞のように上皮系の食細胞も存在します。


[貪食反応の分子機構]   貪食の素過程

 貪食反応は4つの素過程から成ります。まず食細胞が標的細胞の近くに集まり「遊走」;次に標的細胞を見つけ「認識」;取り込み「取込」;最後に取り込んだ標的細胞を処理します「処理」。素反応の概要と,私たちの研究室での取り組みを以下に示します。

1)遊走: 除去すべき細胞の周辺に常に食細胞が存在するとは限りません。変性自己細胞が産生放出するある種の脂質や変性タンパク質は,食細胞やその他の免疫細胞を呼び寄せる活性を持つことがわかっています。また,細菌が生体内に侵入すると,体液中の酵素により細菌表層の物質が部分切断されて遊離し,これが免疫細胞の集積と活性化を起こします。私たちは,ラット黄体退行時の黄体細胞で単球/マクロファージ遊走因子MCP-1生産が促進される分子機構を調べています。

2)認識: アポトーシス細胞の表層には正常時には存在していなかった分子が出現し,これが目印となって食細胞に認識されます。さまざまな貪食目印分子が提案されており,その中で膜リン脂質のひとつであるホスファチジルセリンがもっともよく解析されています。正常細胞ではホスファチジルセリンは細胞膜二重層の内側層に局在していますが,アポトーシスが誘導されるとその一部が外側層に移動して細胞表層に露出します。すると,食細胞がホスファチジルセリンを感知できるようになり,これがアポトーシス細胞認識の目印となります。私たちはこれまでに,どのような種類のアポトーシス細胞がホスファチジルセリン依存的に食細胞に認識されて貪食されるのか,そしてどんな分子が食細胞側のホスファチジルセリン受容体として働いているのかを調べており,セルトリ細胞の持つホスファチジルセリン受容体SR-BI (class B scavenger receptor type I)を報告しました。また,ショウジョウバエでアポトーシス細胞貪食を仲介するDraperはホスファチジルセリンを認識していないと考えられ,Draperリガンドの同定が進められています。これらの研究に加え,アポトーシス細胞の細胞膜に形成されるブレッブやミクロドメインなどの表層変化が,食細胞による認識にどのような影響を与えるかについても解析を行っています。
 一方,微生物の認識では,微生物の持つ固有の分子や,宿主体内でプロセシングを受けた微生物由来分子が目印となります。私たちは哺乳類マクロファージやショウジョウバエヘモサイトによる細菌の貪食機構を調べており,細胞性及び液性免疫応答による病原微生物排除の全体像を明らかにしたいと考えています。

3)取込: 目印分子が受容体に結合すると,取り込み反応を誘導する情報が食細胞内に伝達されると予想されます。この貪食シグナルの伝達機構は,線虫での遺伝学的解析を中心として明らかにされつつあります。私たちは,精巣セルトリ細胞の貪食誘導性ホスファチジルセリン受容体について,ホスファチジルセリン結合後のSR-BIを介した細胞内情報伝達経路を調べ,MAPキナーゼ経路の活性化が貪食に必要であることを報告しました。現在は,SR-BIを介する貪食誘導と調節の仕組みを明らかにするために,SR-BIと結合する細胞内情報因子や,細胞骨格再編成を導く低分子量Gタンパク質経路の同定を目指しています。また,スカベンジャー受容体ファミリーは,細菌認識受容体としても働くことが提唱されており,その一員であるSR-BIは感染免疫にも働いている可能性があります。一方,炎症時に産生される生理活性脂質であるエンドカンナビノイドが,カンナビノイド受容体を介してマクロファージの貪食反応を調節することを見いだし,微生物感染時の貪食反応調節と微生物排除の仕組みを調べています。

4)処理: 食細胞の貪食胞に取り込まれた標的は,低分子量Gタンパク質の働きによりリソソームに輸送され,そこでリソソームの加水分解酵素による分解や,活性酸素等のラジカルによる殺菌が行われます。また,抗原提示細胞に貪食された標的分子の一部分はTリンパ球に提示されて,獲得免疫応答が誘導されます。すなわち,貪食は自然免疫と獲得免疫の橋渡しを行う細胞応答でもあると言えます。私たちは,Toll様受容体のTLR4が貪食胞に取り込まれた標的のリソソームへの輸送や分解を調節することや,TLR2がマクロファージによる活性酸素産生と貪食された細菌殺傷を調節することを見いだし,TLR2経路に影響を与える細菌側因子を同定するとともに、Gタンパク質経路による食細胞内での細菌処理調節の仕組みを調べています。


研究室所在地および連絡先: 

920-1192 石川県金沢市角間町 金沢大学自然科学研究科棟1号館

金沢大学医薬保健学域薬学系 生体防御応答学  中西 義信

電話/ファクシミリ 076-234-4480  

電子メイル nakanaka @ kenroku.kanazawa-u.ac.jp (@を半角に直し、前後のスペースを削除して下さい)

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