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研究内容

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大場 正志(OHBA, Masashi)

(1)生物活性微量天然物の構造,合成および反応に関する研究
(2)新規含窒素複素環化合物の合成と反応に関する研究

◎研究概要(論文リスト

 天然からの医薬品素材の探索研究により新規構造を有する多くの天然物が見出されていますが,それらを医薬品リード化合物とし,より付加価値の高い物質を創製することは有機合成化学の果たす役割の一端です.私達は生理活性天然物の構造上解明されていない問題点を有機合成化学的手段で解決することを基本とし,そのために必要な基礎研究を行い,さらに,その過程で得た新知見を精査するという手法により研究を行っています.

1)縮合キノリジジン環系アルカロイドの合成と構造に関する研究
 医薬品あるいはインド地方の民間薬として知られている吐根およびウリノキ科植物は多数のベンゾキノリジジン環系アルカロイドを含むことが知られてますが,その多くは A 環上の水酸基の位置や C 環の立体化学は決定されていませんでした.私達は含窒素6員環化合物,特にラクタム類の化学的基礎研究に基づいて A 環修飾ベンゾキノリジジン環系アルカロイドの一般的合成法を開発し,7種の新規アルカロイド(alangicine, alangimarckine, alancine, desmethylpsychotrine, 9-demethyltubulosine, 9-demethylprotoemetinol, 10-demethylprotoemetinol)の最初の全合成に成功し,それらの構造と絶対配置を決定しました.その後,この経路をインドロキノリジジン環系アルカロイド dihydrocorynantheol, ochromianine, ochropposinine および四級塩型アルカロイド ophiorrhizine のキラル合成にも適用しました.

2)海洋生物由来微量生理活性天然物の合成と構造に関する研究
 (a) Agelas 属の海綿から単離された agelasimine-A と agelasimine-B はアデニン環上にジテルペン部が置換した興味ある構造を有しており,抗腫瘍活性のほか多彩な生理活性を示すことが報告されています.私達は両者に共通するジテルペン部を高立体選択的に合成する経路を開発し,さらにこれを両天然物へ導きそれらの構造と絶対配置を決定しました.
 (b) Imbricatine はヒトデから単離されたアルカロイドであり,イソギンチャクの攻撃に対するヒトデの防御物質として知られているほか,抗腫瘍活性を示すなど合成標的としては興味ある化合物です.私達はこのアルカロイドの基本骨格の一部である 5-arylthio-3-methyl-L-histidine 類 の一般的合成法を開発後,この合成戦略に従って,tri-O-methylimbricatine の合成に成功しました.さらに,天然品をこれに誘導し,imbricatine の構造と絶対配置を確定しました.

3)ヘテロ Diels-Alder 反応を利用するピリジン環含有アルカロイドの合成と構造に関する研究
 オキサゾール環とオレフィンの分子内 Diels-Alder 反応によりピリジン環を含む二環性化合物を合成できます.この反応を利用して,インドロピリドナフチリジンアルカロイド normalindine の最初のキラル合成に成功し,不明であったその絶対配置を決定しました.さらに,モノテルペンアルカロイド plectrodorine と oxerine の合成を達成し,現在,架橋インドールアルカロイドの合成に応用することを検討しています.

4)天然サイトカイニン(細胞分裂促進植物ホルモン)関連化合物の合成と構造活性相関
 植物ホルモン作用に対する構造活性相関を検討するため,1'-methylzeatin に関連するサイトカイニン類を合成しました.

 このような研究を通して合成した多くの新化合物は学内,学外の研究機関に提供され,生物活性のテストがおこなわれています.


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