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薬物治療の標的分子を解明し、病気の治癒やQOLの改善を目指します。

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論文業績の説明

Hashimoto N, Nakamichi N, Uwafuji S, Yoshida K, Sugiura T, Tsuji A, Kato Y. ATP binding cassette transporters in two distinct compartments of the skin contribute to transdermal absorption of a typical substrate. J Control Rel 165: 54-61, 2013. 

薬物の経皮投与(貼付剤など皮膚に薬を貼ることで投与すること)は、投与の開始や投与の中止のしやすさや、投与された薬が肝臓での代謝を免れて循環血に入ることなど、さまざまな利点があり、特に高齢化社会を迎えた現代において注目されています。経皮投与において、薬は貼付剤から皮膚に分配し、その後皮膚組織内を拡散すると考えられてきました。しかし今回我々は、皮膚に存在する2つのABCトランスポーター(P-糖タンパク質とBreast cancer resistance protein, BCRP)がともに、皮膚の表皮から真皮と、真皮から毛細血管にかけて存在し、ともに基質薬物の吸収方向(表皮から血管への方向)の透過に働くことをマウスを使ってin vivo(個体レベル)で示しました。また、これら2つのABCトランスポーターがヒトの皮膚組織にも存在することを示しました。2つのABCトランスポーターはともに、多くの薬物を認識することが分かっています。従ってこれらの結果は、ABCトランスポーターをうまく利用することによって、薬物の皮膚での動きを制御できる可能性を示します。今後、この研究成果が、経皮投与における新しい薬剤の開発に応用されることが期待できます。



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