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報道ダイジェスト:記事

がん撲滅へ研究支援 北國がん基金助成金贈呈式17件に1220万円

公益財団法人北國がん基金の第29回助成金贈呈式は11日、金沢市の北國新聞会館17階で行われ、がん撲滅に取り組む研究活動助成部門13件、海外派遣等研修助成部門1件、啓発活動助成部門2件、特別表彰部門1件に計1220万円が贈られた。
贈呈式では、北國がん基金理事長の飛田秀一北國新聞社会長が「この基金には、がん征圧に対する県民の強く切実な願いが込められている。県民から託された思いをしっかり受け止め、それぞれの取り組みに一層精進してほしい」と式辞を述べ、助成対象者に贈呈状と助成金を手渡した。
続く市民講座では、研究活動部門で助成を受けた金沢大学薬学系の玉井郁巳教授が「薬の効き目を最適化する薬物動態学」と題して講演した。
北國がん基金は、石川県内の医学関係者の要望を受け、北國新聞社が紙面キャンペーンで提唱して1986(昭和61)年に創設した。運動の開始以来、寄せられた善意は今年8月末現在で累計6億4千万円を超え、医学関係者や啓発活動に取り組む団体などの活動を側面から支援している。

安全、有効な薬物療法を 金大の玉井教授

講演した金大薬学系の玉井氏は、人の細胞の表面にある「トランスポーター(運び屋)」と呼ばれるタンパク質が薬の吸収を促進することを説明し、「トランスポーターを利用して安全で有効な薬物療法を樹立していく」と強調した。
広く用いられる抗がん薬「イリノテカン」の副作用である重い下痢の軽減を目指す研究を取り上げた。小腸の上皮細胞にあるトランスポーターの働きを抑制すると、下痢が軽くなると想定されるとし、「研究を進め、より使いやすい抗がん剤にしていきたい」と語った。
玉井氏は、薬を投与した後に血中濃度を適正に保つことが薬効を得るために重要であるとし「吸収や代謝、排泄といった体のメカニズムを理解して血中濃度を保つことが大切だ」と述べた。抗がん剤治療では、ある抗がん薬で表われた耐性が別の抗がん薬にも広がる「多剤耐性」の克服が課題だとした。
薬は臨床試験の通り服用しないと期待される効果を得られないとし、「薬をコップ1杯の水で飲むのは試験でそうしたから。決められた時に決められた方法で飲んでほしい」と用法・用量を守った服用を呼び掛けた。

助成対象の各氏・団体(薬学系関連)

◇研究活動助成部門

▽玉井郁巳氏(金大薬学系教授)=100万円 
【抗がん薬誘発性副作用の回避を目指した薬物動態的研究】

▽松永司氏(金大薬学系教授)、猪部学氏(金大薬学系准教授)、若杉光生氏(金大薬学系助教)=100万円
【DNA修復阻害物質の探索とがん化学療法増感剤への応用】

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