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報道ダイジェスト:記事

骨粗しょう症 薬局で検査 骨折リスク 地域で減らせ 金大・荒井教授ら呼び掛け 県内26店舗で開始

金大医薬保健研究域の研究グループは、石川県臨床整形外科医会、金沢市薬剤師会と連携し、県内の薬局26店舗で、骨粗しょう症の簡易検査をスタートさせた。気軽に立ち寄れる地域の薬局で骨折のリスクを調べられる仕組みを導入し、リスクが高い場合は整形外科での精密検査を勧める。自覚症状が出にくい骨粗しょう症の予防や治療率アップにつなげ、骨折から寝たきりになる高齢者の抑制を目指す。

検査を行うのは、金沢、小松、羽咋、かほく、白山市にある26薬局で、世界保健機関(WHO)が開発した「FRAX(フラックス)」と呼ばれる骨折リスク評価の手法を用いる。

20~30秒で計算

専用の計算機に年齢や性別、喫煙やアルコール摂取、関節リウマチの有無などを入力すると、10年以内に骨折する可能性が示される。20~30秒で計算できるため、買い物や薬を受け取るついでに調べることができる。骨粗しょう症の危険性が高いと判断されれば、近隣の整形外科を紹介する。
骨粗しょう症は骨の強度が低下して骨が折れやすくなる病気で、高齢者ほどかかりやすい。日本骨粗鬆症学会の「予防と治療ガイドライン2011年版」によると、患者は全国に約1280万人いると推計される。症状が分かりにくいのも特徴で、骨が折れて初めて気付く人も珍しくない。
骨折をきっかけに要介護の状態になるケースも多い。厚生労働省が13年に行った国民生活基礎調査では、要介護となった原因の10.9%が「骨折・転倒」だった。

医師、薬剤師が連携

今回の試みを呼び掛けた金大医薬保健研究域薬学系の荒井國三教授によると、骨粗しょう症に関して薬局と病院や診療所が連携するのは県内初で、全国的にも珍しい。荒井教授は「薬局は病院より気軽に足を運んでもらえるため、より多くの潜在患者を見つけることができる」と強調した。
金大医薬保健研究域からは、荒井教授のほか、医学系の山本憲男特任教授、保健学系の正源寺美穂助教が参加し、取り組みをチェックする。利用状況を見ながら改善点を探るほか、別の薬局にも協力を呼び掛けて実施規模を拡大し、骨粗しょう症予防のモデルケース確立を目指す。
荒井教授は「薬局と医療機関による『医薬連携』を進めることで、医師と薬剤師がスムーズに情報交換できる態勢も構築していきたい」と話した。

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