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報道ダイジェスト:記事

がん細胞修復阻止 金大・松永教授ら 化合物を特定
抗がん剤、効きやすく

 がん細胞の自己修復を阻止する化合物を、金大医薬保健研究域薬学系の松永司教授(遺伝情報制御学)らのグループが10日までに特定した。この化合物を使ってがん細胞の修復能力を弱めることができれば、既存の抗がん剤をより効きやすくできる可能性がある。松永教授は特許を出願しており、新薬の開発につなげたい考えだ。

 がん細胞は、抗がん剤などで傷ついたDNAを自ら修復する能力があり、この能力が高まることが、がん細胞に薬が効かなくなる「薬剤耐性化」の原因の一つとされている。
 松永教授はこれまでに、正常細胞がDNAに損傷を受けた際の修復能力を測定する方法を開発。今回の研究ではこの測定法をがん細胞に応用し、理化学研究所の天然化合物バンクにある数百種類の化合物をそれぞれ添加して、修復能力の変化を調べた。
 その結果、1種類の化合物ががん細胞の修復を顕著に阻むことが分かった。この化合物を抗がん剤の「シスプラチン」とともに添加すると、がん細胞に対する致死効果が2倍に上昇した。
 今後は、マウスによる動物実験で効果を確かめるほか、修復を阻止する仕組みを解明したり、より効果の高い別の化合物の探索も進める。松永教授は「抗がん剤の効果を高めることができれば、投与量を減らして副作用を弱めることもできる。臨床での実用化を目指したい」と話した。

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