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報道ダイジェスト:記事

マラリア原虫 くっきり
蚊の唾液腺に集まる生態撮影 金大・吉田教授
蛍光タンパク質で色付け 伝染抑制へ可能性

金大医薬保健研究域薬学系の吉田栄人教授(ワクチン・免疫科学研究室)は27日までに、独自の遺伝子操作技術を用いて、蚊の唾液腺に集まるマラリア原虫の生態を、蛍光タンパク質で明瞭に跡付けることに成功した。生態の全容が明らかになれば、ワクチンがないマラリアの伝染を制御する手掛かりが見つかる可能性もあるという。
マラリアの病原体であるマラリア原虫は、ハマダラカの体内で成長する。最終的には、胞子の殻の外へ出た細胞「スポロゾイト」の形で唾液腺に移り住み、ここから唾液に乗ってヒトの血管へ移動することが知られているが、蚊の体内での生態は明らかにされていない。
ハマダラカとマラリア原虫の寄生関係を研究してきた吉田教授は、遺伝子操作によってハマダラカの唾液腺だけを蛍光タンパク質で赤く発色させる技術を、世界で初めて開発した。
同じく遺伝子操作で緑に発色させたマラリア原虫を蚊の体内に入れて動きを追跡。唾液腺に集積していくマラリア原虫のスポロゾイトを撮影した。
詳細に観察すると、原虫は唾液腺の細胞の辺縁部に局在することや、三つある唾液腺のうち二つだけに寄生することなども確認された。
吉田教授は「今後は唾液腺細胞へ侵入する経路などを突き止め、蚊の体内でマラリア原虫がどのように成長し移動するかをより詳しく明らかにしたい」と話した。

マラリア
ハマダラカによって媒介され、アフリカや東南アジアなど熱帯、亜熱帯地方を中心に年間3億人以上の患者、150万人以上の死者を出す伝染病。ワクチンは開発されていない。治療にはキニーネなどの抗マラリア剤が使われる。日本での発生はないが、海外で感染して帰国する例が年間数十例報告されている。

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