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報道ダイジェスト:記事

「やせる脂肪」に増殖法 
発生促進の物質確認 メタボ対策に活用へ 金大・米田教授グループが解明

燃焼しやすい「やせる脂肪」を増やす方法を、金大医薬保健研究域薬学系の米田幸雄教授らの研究グループが5日までに解明した。細胞から分泌される特定の物質「サイトカイン」が、やせる脂肪の発生を促進していることを確認、応用した。金大TLO(技術移転機関)は特許を出願しており、メタボリック症候群対策など、肥満を防ぐ新たな医薬品の開発などに活用が期待される。

人間の脂肪組織には白色脂肪組織と褐色脂肪組織の2種類がある。内臓脂肪に多い白色脂肪はエネルギーをため込むのに対し、褐色脂肪は体の中の余分なエネルギーを熱に変えて放出する役割があることから「やせる脂肪」とも呼ばれている。褐色脂肪が活性化すれば体脂肪は減少するが、体内の限られた場所に少量しかなく、加齢とともに減少することが応用面で課題だった。
研究グループは、肥満マウスの褐色脂肪で、あるサイトカインが著しく増えていることに着目。試験管内の実験で、脂肪細胞に分化する前の「幹細胞」にこのサイトカインを添加すると、添加しない場合と比べて5~20倍、褐色脂肪に分化しやすかった。褐色脂肪細胞で重要な働きをする遺伝子「UCP1」も50倍近く増えた。
研究グループは、このサイトカインが褐色脂肪細胞への分化を促進したり、働きを高めたりすると結論付けた。
厚生労働省の2008年国民健康・栄養調査によると、40~74歳の男性のほぼ半数、女性の約2割が「メタボリック症候群が強く疑われる」または「予備軍と考えられる」とされている。研究グループではメタボ対策に向け、今後はこのサイトカインが人間の体内で増加する仕組みを研究し、食品摂取によって効果的に増やす方法や新薬の開発などにつなげる。
研究は檜井栄一准教授を中心に、寳田剛志助教、大学院生の中村由香里さん、高田紗矢さん、創薬科学科4年の橋詰翔太さんが参加した。米田教授は「肥満防止は万病を防ぐことにつながる。企業などと連携し、実用化につなげたい」と話した。

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