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守って作る 骨にW効果 骨粗鬆症治療に有効な化合物 金大・米田教授グループ確認 特許出願 新薬開発に期待

 金大医薬保健研究域薬学系の米田教授らのグループは11日までに、骨粗鬆症の予防・治療に効果のある化合物をつきとめた。マウス実験などで、骨を壊す細胞の働きを抑えると同時に、骨を作る細胞の働きを強く促すことを確かめた。金大TLO(技術移転機関)は同日までに特許を出願しており、新たな骨粗鬆症の治療薬開発に向けた活用が期待される。

 骨を作る「骨芽細胞」と骨を壊す「破骨細胞」の表面では、多くの「アミノ酸輸送体」が働いており、アミノ酸の吸収、排出を助けている。米田教授グループが突き止めた化合物は、この輸送体の働きを阻害する作用がある。この作用が、骨の形成にどう影響するか調べた。
 実験には雌のマウスを用い、体内の環境が閉経後の女性と同じになるよう、卵巣を除去した。卵巣を取り除いて何もしないマウスは28日目に骨量が3割程度減少したが、手術前の28日間、化合物を含んだ薬を毎日投与したマウスでは、骨量は全く減少しなかった。
 細胞を使った培養実験でも、この薬を投与すると、破骨細胞の働きが強く抑えられる一方、骨芽細胞の活動は強く促された。細胞内のカルシウム量を投与前後で比較すると、2.5倍多かった。
 現在、骨粗鬆症の治療薬は、破骨細胞の活動を阻害する「ビスホスホネート剤」などが中心で、あご骨の壊死などの副作用が問題となっている。今回の化合物は破骨細胞、骨芽細胞の両方に働き掛けるため、少ない投与量で高い効果が期待できる。また、マウス実験の段階では、顕著な副作用もないという。
 研究では檜井栄一准教授を中心に、寶田剛志助教、大学院生の藤田弘幸さんらが参加した。米田教授は「骨粗鬆症の患者は急増している。今後は実用化に向けて効果や安全性を高め、企業と連携して創薬につなげたい」としている。

※骨粗鬆症
古くなった骨を溶かす「破骨細胞」と、新しい骨を作る「骨芽細胞」のバランスが崩れることで発症する。閉経後の女性や高齢者に多く見られ、国内の患者は1千万人以上といわれている。

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