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報道ダイジェスト:記事

「瀋陽の大気汚染改善」県内にも到達発がん性物質 5年間で3-6割減 中国で金大・唐助教ら調査

世界有数の大気汚染都市とされる中国・瀋陽市で最近,汚染の程度が改善傾向にあることが金大医薬保健研究域薬学系の唐寧助教らの調査で確認された。2007年の調査では,01年ー02年に比べ大気中の発がん性化学物質濃度は30-60%減少していた。中国の大気汚染は偏西風に乗って日本に到達し,県内でも観測されて問題となっている。唐助教らは「瀋陽の環境対策が功を奏した」とした上で「観測を続け減少が続くか確かめたい」と話している。

中国は1980年代に始まった改革開放路線により急激な発展を遂げた一方,著しい大気汚染を引き起こしてきた。工業都市である瀋陽は特に汚染がひどく,唐助教が所属する金大薬学系の早川和一教授研究室が2001年から02年にかけて同市で行った調査では,石炭などを燃やした時に出る発がん性物質の多環芳香族炭化水素(PAH)類の大気中濃度は金沢の約百倍にも達すると判明している。

市が対策実施

瀋陽市はこの結果を受け,07年までに暖房用石炭ボイラー約5000本の撤去や工場約100か所の郊外移転を実施していた。
07年の調査では,瀋陽市の大気中PAH濃度は前回調査と比較して冬季に大幅な減少が見られた一方,夏季は上昇し,年間を通じては3-6割減った。それでも金沢と比べると,大気中濃度は依然として50倍近く高い。また夏季には,PAHの中でもディーゼル車の排ガスに多く含まれるニトロ芳香族炭化水素(NPAH)の濃度が上昇していた。

唐助教はこれらの結果から,暖房用石炭ボイラーの撤去は冬季のPAH濃度低下につながったと判断した。その一方,自動車の台数増加や整備不良によるPAH,NPAH濃度の上昇が夏季に目立つ結果になったとみており,「環境対策の長期継続が必要」と結論づけた。

お問い合わせ先:
唐 寧; tou@p.kanazawa-u.ac.jp

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