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報道ダイジェスト:記事

「ニンニクで骨強化」含有の酸成分粗鬆症防ぐ 金大・米田教授ら発見,世界初 健康食品開発へ

ニンニクや梅干しに多く含まれる酸の一種「ピルビン酸」に骨粗鬆症を防ぐ効果があることを,金大大学院自然科学研究科(薬学系)の米田幸雄教授らが世界で初めて発見した。モデルマウスにピルビン酸を与えると,骨をつくる細胞が活性化して骨密度も回復した。米田教授は「ニンニクなどを日常的に摂取すると骨の強化につながる」とみている。

生物の体内には骨をつくる「骨芽細胞」と骨を壊す「破骨細胞」があり,人間の場合4-50代まではどちらの細胞もバランスよく働いて骨は毎日新しい組織に生まれ変わっている。骨粗鬆症は加齢で骨密度が低下するのが原因だが,閉経で女性ホルモンが不足すると破骨細胞だけが活発化されるため,女性の患者が特に多い。

米田教授と同科の宝田剛志助教,博士課程1年の宇野恭介さんは,培養細胞を使った実験で,ピルビン酸を与えると骨芽細胞は長生きすることを突き止めた。細胞死の原因になる活性酸素をピルビン酸が打ち消していた。

また,雌のマウスの卵巣を摘出し閉経と同じ状態にすると,骨中のピルビン酸が減り骨密度は低下したが,毎日ピルビン酸を与えると,4週間後には骨密度は卵巣摘出前と同等に回復した。

現在,骨粗鬆症の治療には破骨細胞を抑制する薬が使われているが,骨芽細胞を活性化するピルビン酸の作用は新たな治療につながると期待される。

論文は米国の分子薬理学誌モレキュラーファーマコロジーに掲載され,特許も出願した。米田教授は「女性は閉経後すぐにピルビン酸を取り始める方が骨粗鬆症予防に良い」と話し,今後はピルビン酸の有効量を確かめ,ニンニクや梅干しを使った健康食品の開発にも意欲を見せている。

※ピルビン酸 炭水化物やたんぱく質が体内で代謝されるときにできる物質。細胞のエネルギー源になるため,点滴の輸液にも含まれている。不足すると疲れが取れにくくなったり,太りやすくなるとされる。

お問い合わせ先: 米田 幸雄; yyoneda@p.kanazawa-u.ac.jp

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