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報道ダイジェスト:記事

女性の認知症など検査に効果 エストロゲン高感度に検出 従来方法の500倍  金大院 東助教授ら試薬を開発

ごく微量に存在する生体ホルモンのエストロゲンを高感度で質量分析する方法を、金沢大大学院自然科学研究科(薬学系)の東達也助教授らが見つけた。エストロゲンの激減は女性の更年期障害や認知症などにかかわっており、新たな分析法は臨床検査や病体の解析、投与薬の効果検証などに役立ちそうだ  東助教授は島田和武教授、西尾忠助手と共同でエストロゲンを効果的に検出するための試薬を開発し、特許を出願した。
 現在、最も使われている質量分析法は、エレクトロスプレーイオン化(ESI)。二〇〇二年のノーベル化学賞を田中耕一氏と同時受賞した米国人博士が発明した。
 質量を分析するには、測定したい物質をイオンにする必要がある。ESIでは、金属毛細管にある溶液に高電圧をかけてスプレー(噴霧)し、その過程で対象物質に水素イオンを付加させることでイオン化する。
 ほぼすべての化合物に対応できるが、水素イオンを加えにくい化合物はごく一部しかイオン化しない。エストロゲンがその一つで、しかも血中濃度は極めて低い。
 東助教授らが考案したイオン化は、もともとイオン構造のアンモニア系を含む試薬との化学反応。ESIよりも簡易な方法でエストロゲンが常にプラス電荷の状態となることが分かった。その結果、検出感度は従来の五百倍程度に高まった。

 東助教授は「エストロゲンと構造が似ていて、測定が困難な環境ホルモンも、同じ手法で検出できる可能性が高い」と話し、環境評価への活用を見込めるという。

エストロゲン

卵などにかかわる女性ホルモンとして知られ、脳の記憶や学習活動にもかかわる。健常な女性の場合も、血液1ミリリットル当たり1000億分の数グラムしか存在しない。閉経後にエストロゲンが著しく減ると、更年期障害、認知症などを発症させやすい。男性にも欠かせず成長や発育に関与している。

お問い合わせ先: 東 達也;higashi@p.kanazawa-u.ac.jp

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