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報道ダイジェスト:記事

NPOハート理事長・辻金沢大薬学部教授に聞く

新薬の効果を検証する(治験)の環境整備が石川県で進んでいる。県医師会が治験を受託するネットーワークを今年設立し、金大付属病院を中心とした北陸の既存ネットワークとの融合が期待されている。共通の事務とし両者をサポートする特定非営利活動法人「NPOH・E・A・R・T(ハート)」(健康 環境 教育の会)理事長の辻彰金沢大薬学部教授に、治験の現状と展望を尋ねた。(瀬戸勝之)

-なぜ治験基盤の整備が急がれるのか
 「日本は新薬の認可に時間がかかる。国際競争が激しさを増すなか、製薬企業が治験を海外委託するケースが増えて空洞化が生じていた。そこで厚生労働省は治験の際に医師や患者を支援する臨床試験コーディネーター(CRC)の大幅増員を目標に掲げている」 「石川県ではハートが運営する『北陸臨床試験支援センター』が薬剤師や看護師らを対象に、地域密着で活動できるCRCを養成してきた。先駆け的な取り組みが評価されて石川県は国のモデル地区に選ばれ、県医師会のネットワーク設立にもつながった」

-二つのネットワークが融合する意義は
 「新薬認可には複数の臨床事例が必要なため、製薬企業は同一地域でより多くの病院に治療を依頼する方が効率的だ。しかし石川県ではこれまで、金沢大付属病院や関連病院など一部に限られており受け皿が小さかった」「県医師会が第三者機関の倫理委員会(IRB)を独自に持つことで、個人開業医でも受託できるようになり、金沢大のネットーワークと連携した大規模な治療も可能になる。高度な新薬開発に携ることで医療現場のレベルアップにつながる」

-北陸臨床試験支援センターの具体的な役割は
 「ネットーワークを一元管理して治療情報を登録する医師に広く提供し、受託機会の拡大を目指す。窓口の共通化により、製薬企業もワンストップで治験を依頼できるのでメリットが大きい。治験教育など開業医への支援業務も手掛けたい。CRC業務は、業務提携したシミックCRC北陸支社に優先的に委託していく」

お問い合わせ先: 辻 彰;tsuji@kenroku.kanazawa-u.ac.jp

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