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報道ダイジェスト:記事

骨の素 うま味調味料 主成分のグルタミン酸 金大大学院グループ発見 造骨作用促す 粗鬆症治療へ 特許出願

うま味成分のグルタミン酸が体内で骨を成長させる信号として働いていることを、金大大学院自然科学研究科の米田幸雄教授(分子薬理学)らの研究グループが発見した。グルタミン酸が骨を作る細胞の“スイッチ”を入れ、造骨が進む仕組み。グルタミン酸が作用しないと骨が作られないことも分り、骨粗鬆症の治療につながる基礎研究として特許を出願した。
 グルタミン酸は脳内で神経伝達物質として記憶や思考にかかわることが知られているが、造骨に欠かせない物質であることを明らかにしたのは世界で初めてとなる。米田教授のほか、檜井栄一助手、室田剛志教務職員が研究を進め、18日までに米実験生物学連合会会誌などに発表した。
 骨は、作る働きの骨芽細胞と、壊す働きの破骨細胞が調和を保って作用しながら成長する。米田教授らは、造骨のきっかけとなる信号としてグルタミン酸をとらえるスイッチの器官「レセプター」を骨芽細胞に見つけたほか、グルタミン酸を作ったり、調整したりする器官も確認した。この3つの器官が分担してグルタミン酸を「出す、受け取る、止める」ことで骨の成長が進むと考えられる。
 米田教授は痴呆症治療の観点からグルタミン酸を研究してきたが、増殖せず網目状に手を結ぶ神経細胞と骨細胞の特徴が似ていることに注目し、グルタミン酸と造骨の関係を調べてきた。
 この発見により、グルタミン酸を受け取るスイッチを活性化すれば造骨を促せることが分かった。米田教授は「脳を想定した薬剤が骨粗鬆症の治療薬になる可能性がある」として、新薬の探索を急いでいる。

ノート:グルタミン酸
昆布だしのうま味成分で、うま味調味料として利用される。湯豆腐の深くまろやかな味に注目した東京帝大の池田菊苗教授が1908年、抽出に成功した。

お問い合わせ先: 米田幸雄;yyneda@p.kanazawa-u.ac.jp

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