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報道ダイジェスト:記事

グレープフルーツやコショウ 抗がん剤の効能を増強 成分を解明,併用薬に

グレープフルーツやコショウの中から抗がん剤の効能を高める成分を取り出すことに,金沢大学薬学部の太田富久教授(天然物化学)が成功した。この成分は抗がん剤が体内から排出されるのを防ぐ働きがあり,少ない投与量で抗がん剤の効能を長続きさせ,副作用も減らせる併用薬になると期待している。

抗がん剤は体内に入ると肝臓や腸などの酵素の働きで分解され,速やかに排出される。太田教授がグレープフルーツから取り出したフラノクマリン類やコショウから取り出したジピペラミド類は,この酵素の働きを弱め,抗がん剤を長い間,体内にとどめることができると分かった。

この研究を基に太田教授らはグレープフルーツやコショウに匹敵する効果を持つ薬物を合成することもできた。

一般にグレープフルーツと医薬品は「飲み合わせ」が悪いとされ,一緒に飲まないよう注意書きが書かれている。一方で金大附属病院ではコーヒーに含まれるカフェインを併用して抗がん剤の効果を高める化学療法を進めており,「飲み合わせ」を逆手にとって治療に利用できることが明らかになってきた。

太田教授は「漢方薬はいろいろな生薬の組み合わせで効能を増進させたり,副作用を抑えたりしながら成り立ってきた」と話し,グレープフルーツやコショウだけでなく,ほかの食品や生薬類からも相互作用を示す成分を見つけ,特許出願を目指している。

お問い合わせ先:太田富久;ohta@p.kanazawa-u.ac.jp

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