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臨床分析科学

主な研究テーマ

  • 白金抗がん剤の創薬開発
  • 薬物の血漿タンパク結合の解明と創薬への応用
  • がんの診断・治療を目的とした放射性薬剤の開発研究

研究の概要

体の中にはいろいろな鍵物質が働いて生命活動を行っています.金属イオンは生命の発生時から生命活動に取り込まれ,重要な働きをしていることが明らかになってきました.しかし,私達の健康にどのように役に立つかについてはまだまだ未解明な点が多く残されています.金属イオンを鍵物質として働き(特性)を分析して物質の営みを解明し,どのような薬を作れば健康に過ごせるかについて,もの作りから物性評価,アッセイまでを一貫して進めています.

白金抗がん剤の創薬開発

がんは昭和56年から日本人の死因の第1位であり,現在では年間30万人以上の国民が,がんで亡くなっています。また,生涯のうちにがんにかかる可能性は,男性の2人に1人,女性の3人の1人と推測されており,抗がん剤の開発は日本人の健康を守る上で大変重要になってきています.現在,シスプラチンに代表される白金製剤は,抗がん剤として多岐にわたり使用されています.白金錯体はがん全般によく効きますが,腎障害などの副作用も無視できないものです.しかし,白金錯体の優れた長所を保ったまま選択的にがんを攻撃できれば副作用の少ない抗がん剤の開発が可能となります。そこで私たちは,骨に親和性のあるイノシトール-6-リン酸(IP6)と白金抗がん剤を組み合わせて,骨転移がんに効く抗がん剤の開発を行っています.また,体内でのタンパク質とDNAとの結合をモデル化した芳香環スタッキングを有する新しいタイプの白金抗がん剤も開発中です.

薬物の血漿タンパク結合の解明と創薬への応用

近年,高齢化や慢性疾患の罹患率の増加から,薬の飲み合わせが問題になってきています.多くの薬物は血中のタンパク質(主にアルブミン)に結合します.よって複数の薬を同時に服用する場合,アルブミンの薬物結合サイトへの競合が生じると,薬物の血中濃度が上昇し,重大な副作用が生じる可能性があります.そこで私たちは世界に先駆けてタンパク質の多元平衡を明らかにする手法を開発し,pH滴定,シミュレーションを行い,構造に関する詳細な情報を調べています.この手法を応用して種々の薬物,金属(ミネラル)のアルブミンへの結合を定量的に明らかにし,薬物やミネラルの結合の解明と予測,薬物間相互作用の予測を分子レベルで研究しています.

がんの診断・治療を目的とした放射性薬剤の開発研究

がんに過剰発現している抗原や受容体をターゲットとした化合物を放射性同位元素(RI)で標識します。その標識化合物を生体に投与することにより,そのRIが透過性の高いガンマ線放出核種を用いれば診断が,細胞殺傷性が高いベータ線を用いれば治療を行うことができます.このような診断画像は,CTなどの形態診断とは異なり,治療効果予測や悪性度診断などの質的診断が可能であるという大きなメリットを有します.また,治療においては,1回の投与で,原発巣のみならず全身の転移巣まで体の中から放射線治療を行う新しい治療法です.私たちは,主に金属RIを用い,RIの利点を生かした新規診断・治療薬剤の開発研究を行っています.

最近の主な発表論文

教員紹介

  • 小谷 明 教授

    専門分野

    生物無機化学、分析化学

    所属学会

    アメリカ化学会、日本薬学会、日本化学会、錯体化学会、日本分析化学会、国際生物無機化学会、日本希土類学会、日本癌学会

  • 小川 数馬 准教授

    専門分野

    放射性薬品化学、核医学、分析化学

    所属学会

    日本核医学会、米国核医学会、日本分子イメージング学会、日本癌学会、日本薬学会、日本DDS学会、米国化学会、欧州核医学会、日本分析化学会

  • 黄檗 達人 助教

    専門分野

    生物無機化学、分析化学、ケミカルバイオロジー

    所属学会

    日本薬学会

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